F.A.ユーベルのクラリネット、モデル811のB♭管です。所有している十数本のクラリネットを少しずつ断捨離しています。最近、ユーベルのクラリネットを見かけるようになりました。ユーベルは、エーラー式クラリネットの開発に携わったフリードリッヒ・アルトゥール・ユーベルが1936年に立ち上げたクラリネットメーカーで、モデル811は、1970年代のリフォームドベーム式B♭クラリネットです。当時、海外ではよく流通していたプロフェッショナルモデルで、ヨーロッパ向けなのでハイピッチ仕様となります。現在の海外相場は、メンテナンス品で80ドル前後＋配送料でしょうか。質の良いグラナディラに、質実剛健なキーシステムで、ドイツ魂を感じる一本です。芯が太く、深みがあり、豊かで温かい音色だと思います。製造番号は、76万番台で上管下管ともに一致しています。1970年代後半のロットと思われます。管体に、割れや補修後はありません。キーのメッキはシルバーメッキですが、小傷や拭き傷、変色は見られるものの、大きな劣化はなく、年代を考慮してもきれいな状態を保っていると思います。磨けばきれいになると思います。今年の3月に、修理工房で全タンポをホワイトレザータンポに交換、不良キーコルクを交換、全体調整してもらい、その後は、数回吹いたのみで保管していました。この度出品に当たり、再度全体調整に出しています。その際、下管のジョイントコルクを巻き直してもらいました。付属品は、東洋楽器製のハードケースのみ(純正品が使用に耐えられない程ボロボロで廃棄してしまいました)となります。バレルは、65mmの一本のみです。ドイツ管ですが、マウスピースは、バンドレンM30等のフランス管用で吹けていました。ドイツ管用のマウスピースの方が良いのかもしれませんが、所有していないのでわかりません。上下管のバレルやベルのジョイント部が、クランポンやヤマハより長く、セルマーのバレルがフィットしましたので参考にしてください。ドイツ管体でありながらベーム式のキーシステムで、ベーム式の運指、フランス管用マウスピースで演奏できる珍しいクラリネットです。40年以上前のクラリネットです。ヴィンテージクラリネットに興味と理解のある方にお譲りしたいと思います。お手軽に1970年代のドイツサウンドを楽しんでみませんか？